子どもたちの予防と治療
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乳幼児期の予防
お口は健康の窓
近年、「噛まない・噛めない」「飲み込めない」といった子どもたちが増えています。むし歯はむしろ減少傾向にあるなか、歯肉炎や歯並び、顎関節症の病気が目立つようになりました。幼い頃からの食生活などの習慣のひずみは、知らず知らずのうちに生活習慣病となり体全体の病気へとつながります。幼い時期から意識してお口の中から健康を守ってあげましょう。
健全な歯列育成を目指し、
早めの対応を
本来、歯がきちんと並ぶ能力や素質はあるのに、歯並びがうまく進まないケースはよくあります。幼いうちから健全な歯列の進行を目指し、ちゃんと機能していけるようサポートを受けることが大切なのです。
そしてもうひとつ、子どもの歯は家族全員で取り組み、守ってあげましょう。むし歯や歯周病にはリスク(なりやすさ・かかりやすさ)があります。このリスクには個人差があり、生まれ持った体質もありますが、生活習慣病も大きく影響します。たとえば、生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、むし歯や歯周病の原因となる菌はいません。多くの場合、歯が生え始める時期から3歳の間に、両親からの感染が原因となるのです。また、その後の感染も気を付けなければなりません。
つまりは環境要因です。早い段階からお子さんの口腔内の状態を把握し、早期処置や早期経過観察といったコントロールは欠かせないのです。
学齢期の予防
食生活が乱れ始める時期
だからこそ口腔ケアの意識を
乳歯と永久歯が混在する小学生と、永久歯が生えそろう中学生期は、あごが成長・発育する時期でもあります。生活面では自立とともに不規則な生活になり、食生活が乱れてきます。間食、清涼飲料水を好んでとることで口腔環境は悪化。むし歯や歯肉炎の発症と増加へとつながります。口臭や歯並びが気になるのも、この年頃でしょう。
ちなみに歯肉炎とは、小児に多い症状で、歯茎だけが炎症を起こしている状態です。歯周炎は歯茎だけでなく、歯を支える骨にも影響があるので、もっと年を重ねた30歳頃から歯周病へと発達します。
この時期の注意点としては口腔ケアを含めた、規則正しい生活と適度な運動、栄養バランスに気を付けることです。あとは、よく噛んで食べること。そして、かかりつけ医で定期的な検診を受け、むし歯や歯肉炎の予防と早期発見・治療が望まれます。適度な運動と栄養バランスを心がけ、口腔ケアの意識をさらに高めていきたいものです。
子どもたちの矯正について知ろう!
子どもたちの歯並びは、遺伝的要因だけではなく、環境要因が大きく関係しています。子どもの矯正は成長発育を利用して、幼児期~児童期に好ましい嚙み合わせを目指すことができます。
一般的な矯正装置を用いるほかにも、筋機能療法(摂食や姿勢および口腔周囲筋の改善を目的としてトレーニング)や食育を通じて、早い時期からあごのバランスを取る方法もあります。個人の成長・発育に配慮した治療を行い、本来持っている機能を引き出してあげることで、無理のないよい噛み合わせを目指すことが可能なのです。
受け口(反対咬合)
通常とは逆の、下の歯が上の歯をおおっている状態。うまく噛めないだけでなく、聞き取りにくい発音になることがあります。通常、食べ物は奥歯で噛みますが、前歯で噛む癖があると、下あごが出て受け口になってきます。
出っ歯(上顎前突症)
上の歯が出ているで、横から見ると口の出っ張りが目立つほか、意識していないと口が開いたままになっていることが多く、口呼吸になりがちです。
歯が重なり合って生えている(叢生)
あごと歯のバランスが悪いと、歯が口の中に治まるスペースが足りなくなり、八重歯など歯並びが悪くなります。歯磨きがしづらく、むし歯や歯周病の原因にもなりがちです。
すきっ歯(空隙歯列)
歯と歯の間に隙間ができ、必要な歯が生えてこないこともあります。空気が漏れて「さ行」などが発音しにくく、見た目にも気になります。
開口(前歯が開いている)
奥歯は噛み合っているのに、前歯だけが噛み合わない状態をいいます。噛む作業が奥歯に集中しやすくなり、やわらかいものばかり食べる習慣がつくことも。指しゃぶりや前歯に隙間に舌を入れる癖が原因と考えられます。
噛み合わせが深い
(過蓋咬合)
上の歯の噛み合わせが深く、下の歯が隠れてしまう状態をいいます。下あごの動きがよくなく、顎関節症を引き起こしたりします。